さっき届いたJSET論文誌をみて、気分が落ち込んだ。
情報科教員をサーバ管理者として養成する研修プログラムの論文があった。どうも前提としている内容には、情報科教員が学校便利屋としてしか認知されていないことを「現在では仕方がないこと」と受け止めているように見える。しかも、その前提で教員養成、教員研修するということは、この現状を容認するばかりでなく、それができる要員がいるのだからと、事態の改善に繋がらないことに気付いているのかどうかを危ぶんでします。
情報科免許だけでの採用がほとんどないうえ、専門職(校内インフラのメンテナンス担当技術職)ですらない一般教員に何をさせるんだと思ってしまう。
それよりも、研修するなら、
・より学校現場の実体にあったアウトソーシング契約の結び方
・契約を守っているか(作業報告書どおりの作業がおこなわれたかどうか)の確認方法
の研修の方が大事ではないか?
緊急時の操作方法は、納入時に
緊急時操作手順書
を納品させればそれで済む話。
論文にも、「リプレースする場合、業者に学校の要求を的確に説明し発注する能力が必要であると考えられる」と書いてあるが、それならば、サーバを物品納入と保守契約ではなく、神戸市教育委員会のようにサービス調達にすればよい話。これはJSET 第25回全国大会 課題研究5で発表されている。
政令指定都市における大規模ICT環境整備と人的環境のあり方(K5-242-04)
松崎太亮(神戸市教育委員会)、平井尊士(兵庫大学)
安易に保守契約にすると、納入時の状態のままにしかしてもらえず、利用形態の変化に合わせたシステム変更には競争が発生せず、高価な作業費が請求されるから変更もされず、使いにくくなるという悪循環が発生することにもなる。
某県教育委員会の公式ホームページが、レンタルサーバのドメインになったのもそれが原因とおもわれる。また、それで仕方がないと判断している「管理責任者」の判断が正しいかどうかは、よい研修のネタとなるだろう。
わたしが昨日の記事に書いたVPNの利用方法にしたって、納品時にしっかり検収していれば、数年間も放置されることはなかったと思う。また、業者の説明を、どこかの「教育関係」のセンセイではなく、「通信関係」のセンセイにセカンドオピニオンを依頼すれば、業者への改善依頼も早く行えたのではないかと思う。
だから、サーバ管理者養成研修はサーバの構築をメインにするのではなく、
・やりたいことを明確に上司や発注先に伝える技能
・受託業者が発注内容を「正しく」設定して納入したかどうかを検収する技能
・修正すぺきところがあるならば検収せず報告して検収できる品位にまでさせる技能
を取得できるないようにすべきだと思う。
で、次のステップはそっちの方に進んで欲しいと思う。
だって、サーバ構築研修はネットデイと同じく数年前に「しなくて済む」時代になっているのだから。
ちなみにvi操作技能は必要だと思う。XのGUIベースで動作するエディタしか使えなかったら、緊急時の高負荷状態でXがまともに動作しなかったらどうしようもないじゃないですか。
緊急時対応に限るならば、edを前提にしたって良いかもしれない。
わたしはMELCOM COSMO700Sを使っていたので、edのコマンドをみると懐かしさを覚える。